Takase, A. (2007). Japanese high school students’ motivation for extensive L2 reading. Reading in a Foreign Language, 19(1), 1-18.
多読は近年注目されていて、教育現場でも用いられるようになった。多読は各学習者のペースで読むことになっており、よって、読む量などに個人差が生じるのが問題点といえよう。よって、どのような要因が学習者の読解動機付けに関係するのかを知るのは重要なことである。
教育心理の分野ではGuthrieなどがL1リーディング・モーチベーションの研究を主にexpectancy-value theoryに基づき行っていて、内発的動機付けを含むself-efficacyが高い学習者はより読むとの結果を発表している。
Takaseの研究結果ではL1とL2リーディング・モーチベーションには相関関係がほぼないことがわかっている。よって、2つは異なる概念であると捉えることができる。
Day & Bamford(1998)はL2リーディング・モーチベーションのモデルを作成し、Mori(2001)では実際にそのモデルが検証された。Mori(1999)ではどの変数が読む量を予測するかを検証するため重回帰分析を行った。目的志向が高い、読書好きな学習者が多く読むという結果となった。
研究目的は以下の3点である。
1.日本人高校生のL2リーディング・モーチベーションの構成要素は?
2.どの構成要素が最も高校生の読書量を予測するか?
3.学習者のリーディング・モーチベーションと日本語と英語のパフォーマンスの相関性は?
研究対象者は219名の高校2年生日本人英語学習者である。データは3年間をかけ収集した。対象者の英語能力はSLEPのテストでは初心者から中上級者との結果がでた。TOEFLでいうと300-400点の範囲である。多読は授業全体の成績10%にあたり、レポートを提出した。多読のほかに授業内では教科書を用いて速読や読解質問の解答などを行った。
モーチベーション質問紙は5件法で2セクションからなる、セクション1はL2リーディングのモーチベーションと態度を測定すると思われる27項目で、セクション2はL1リーディングにおけるモーチベーション、態度、親家族の影響を測定していると思われる18項目である。信頼性アルファ係数はそれぞれ.781と.876となった。
英語読書字数、英語読書本数、日本語読書本数、SLEPプレ、SLEPポスト、セクション2、セクション1の相関係数を算出した結果、英語読書字数と英語読書本数は.618の相関があった。SLEPプレとポストの相関は.419であった。
主成分分析を行った結果、6因子が抽出され、total varianceは51.38%となった。因子1はintrinsic motivation for L1 reading、因子はintrinsic motivation for L2 reading、因子3はparents’ involvement in and family attitudes toward reading、因子4はentrance exam-related extrinsic motivation、因子5はfondness for written materials、因子6はinternet-related instrumental motivationと命名された。セクションごとの信頼性係数は.85, .77, .82, .77, .77, .77 (.45)となった。
重回帰分析では、英語読書字数を従属変数とし、あとの因子得点を独立変数とした。結果、最も英語読書字数を予測したのはintrinsic motivation for L2 readingとintrinsic motivation for L2 readingであった。
考察では、Mori(2002)の研究結果と比較している。本研究でのintrinsic motivation for L1 reading, intrinsic motivation for L2 readingはMori(2002)でのintrinsic value of readingにあたり、parents’ involvement in and family attitudes toward readingとentrance exam-related extrinsic motivationはMori(2002)でいうextrinsic utility valueに相当するのではといっている。
本研究結果とMori(2002)の結果は似ているといえるが、2点異なる点がある。ひとつは本研究では高校生を対象にしているので、よりentrance exam-related extrinsic motivationが高い、と自由に多読用の本を選べる点ある。あと、Mori(2002)ではpositive intrinsic valueは読む量を予測しないとの結果であったが、本研究では逆の結果となった。
L1とL2 reading motivationの相関関係から2つの変数は関係ないとの結果となった。
最後に多読の有用性について示唆している。




