2007年11月6日火曜日

Study-abroad, language proficiency, and learner beliefs about language learning

Tanaka, K. & Ellis, R. (2003). Study-abraod, language proficiency, and learner beliefs about language learning. JALT Journal, 25(1), 63-85.

学習個人差の要因として主にmotivation, attitude, aptitude, anxiety, self-confidenceなどがあげられるが、学習信条(learner beliefs)もよく研究されている。しかし、Horwitz(1985)とWenden(1986)のパイオニア研究以降、研究が進んだにもかかわらず学習信条のモデルはいまだに確立されていない。Tanaka(1999)では、学習信条を主に2つの構成要素に分けられるとした。1つはself-efficacy, confidence, aptitude, motivationを含むbeliefs about self as a language learnerで、もうひとつはbeliefs about approaches to language learningである。そして、後者は2つに分けられ、一つはbeliefs about analytic learningで、もうひとつはbeliefs about experiential learningである。既存研究では、学習信条とはsituation-specificで、年齢、文化背景、学習環境、学習到達度、学習言語などによって異なるとの結果が得られている(e.g., Sakui & Gaies, 1999; Horwitz, 1999)。また。、学習信条と学習到達度と学習到達度の関係についての研究もある(Park, 1995)。Kern (1995)では、Horwitzが開発した学習信条を測定していると思われる尺度であるBALLIを実施し、学習信条の変化を調査した。日本の大学では近年海外へ学生を留学させるカリキュラムがあり、その経験から得たことを調査する研究もある(Freed, 1993, 1995, 1998; Coleman, 1997)。やはり、fluencyと語彙に主に影響するようである。既存研究の結果から以下の項目を研究目的とした。
1. TEOFLの得点変化
2.学習信条の変化
3.学習信条と学習到達度の関連
4.学習信条の変化と学習到達度の変化の相関

研究対象者は15週間留学プログラムに参加した166名の日本人大学生である。BALLIやTanaka(1999)の研究結果をもとに作成された27項目からなるアンケートを実施した。分析方法は探索的因子分析でTanaka(1999)のモデルでは、学習信条は3つの構成要素からなるととしたので、因子を3つと限定して因子分析の結果を解釈することにした。また、アンケートのほかにTOEFLも留学前と留学後2回実施した。アンケートの信頼性を検証するためCronbach alphaを用いた。そして、TOEFL特定の平均に上昇があったかを検証するためindependent t-testを行った。同様に、3つの構成要素と27項目の平均値に変動があったかを検証するためindependent t-testを行った。そして、一回目のTOEFL得点と1回目の相関、二回目のTOEFLと2回目の相関、2回目から1回目の平均を引いたアンケートの平均値と2回目のTOEFLの相関をみた。
因子分析の結果、一回目と二回目のtotal varianceはそれぞれ22.39%と30.02%と3因子では情報量が少ないとの結果となった。3セクションの信頼性も.5~.8でよいほうである。一回目と二回目のTOEFL得点の平均を比較したところ統計的に有意であった。3つのセクションの平均値の差異も統計的に有意であった。全27項目の平均値の変動は、最も「先生はL1で授業を行うべきである」の平均値の差があり、.67減少した。TOEFLとアンケートの相関をみたところ、リスニングとanalytic learning、リーディングとanalytic learningの相関に有意差があった。
考察として、Tanaka(1999)のモデルをもとに作成したアンケートは信頼性が高く、妥当性も実証されたと主張した。しかし、学習信条はあまり変化しなかったが、self-efficacyとconfidenceの学習信条に変動があった。また、analytic learningとTOEFL得点との相関は負の関係にあったので、TOEFLを学習する際はanalytic learningの方法は避けたほうがよい。